OPEN ATELIER 5 The Power
2025.03.08 13:20~18:25

【展覧会概要】
メイド服を着た作家と来場者が、7種類のエプロンの中から着用するものを選び合い、オセロか指相撲をしたのちに1分間の握手をする。なお、スマートフォンによる動画撮影の状況下である。

遅まきながら3月8日が国際女性デーと知って、8月くらいからプランを練り始めました。真っ先にやったことは筋トレのためにジムに通うことでした。というのも当初はセクシーな服というか、もはや公然わいせつ、な格好をするつもりだったからです。典型的にすらっとした女の人、を想定していました。人生のほとんどを痩せた状態で過ごしてきた私ですが、持病の薬の副作用で20キロ近く太ってしまった時期がだいたい5年くらい前。そこからちょっと減って、元に戻るにはあと15キロくらい減らさなくちゃいけない、そんな状況でした。食事と筋トレ、ダイエット。実を言うと2度目の挑戦でした。結果的に体重はほぼ変わりませんでしたが、見た目の体型はかなり改善しました。でも結局、細くなれなかったという理由だけでなくセクシーな格好はやめて、昔ながら?なロングスカートのメイド服を着ることにしました。力関係のことを考え始めると、メイド服の変遷はとっても面白かったのです。そして、メイド服をメイド服たらしめているのは何よりエプロンだ、と思い至りました。エプロンは職業を表すだけでなく、様々な用途があり、中でも大人用のスタイの存在感は強烈です。スマートフォンで動画に納められる状況で、来場者とエプロンを選び合って、オセロをする。その後1分間の握手をする。私はオセロが好きなのでだいたい勝てます。メイド役の私が陣取り合戦で勝つことにどんな意味があるのかと言うと、今思うとあまり意味は無かったかもしれません。単に遊びたかっただけ、なのかも。なんにせよ握手がこのイベントの肝です。プランを練り始めた当初は1分間黙って握手、だけを考えていたのですから。1分間というのは結構長くて、タイマーを用意するのを忘れた私は頭の中で1分を数えました。そしてこれが、やっぱり、すごく長い。ぎゅっと握ったら相手もぎゅっと握ってくるし、少し緩めると相手も緩めてくる。圧迫された皮膚の色を凝視してしまいました。相手の顔を見るのはとてもじゃないけどできませんでした。この感覚って忘れていたような、思い出したような、知らなかったような。たとえばハグとはまた全然違うのだろうと思います。だってハグなら相手の顔を見るか見ないかで悩むことはないでしょうし。何かを掴む、触れる、道具としての手、感覚器としての手、どちらも同時に感じられて、単純に驚きました。このこととフェミニズム、いったいどう関係があるのかと問われたら、うーん全くもって上手に論理的になんてとうてい説明できませんね、と答えます。でも、こんな機会でもなければやらない無言の1分間の握手は、ものすごい緊張感を生みました。相手の人がどんな人かとかそういうことは眼中になくなり、目の前の人の存在、自分の存在を、なにがあっても絶対に傷つけたりできない、そう確信させるものでした。この作品は今後も少しずつ撮りためて行こうと思います。でも映像じゃ伝わりそうにないな、と思ってもいます。手や足、身体に関する作品はこれまでも作ってきましたし、これからまたしばらく取り掛かる予定です。モデル募集の際には、ご協力いただけると嬉しいです。

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